異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~




 プローテイン公国大使館は、ほかの国の大使館と同様に王都の一等地に居を構える。
 しかも中央通りに面しているから、ひと目でそれとわかる。
 ……さて! 大使館まで来てはみたものの、これからどうしよう!?
 しかしいざ大使館前についてみると、この後のことがまったくのノープランであると思い至った。
「へへっ、私ってばなんて行きあたりばったり。ちょっと一息ついてから、これからのことを考えよう」
 いそいそと、いったん場所を木陰に移す。
 正門から少し距離をおいた木陰に陣取って、私が言葉通りハフーッと息を吐き出した瞬間 、大使館の館内からちょうど誰かが出てきた。
 ……ん? なんかシルエットが、ライに似てる?
 館内から出てきたのはふたり連れで、その内のひとりがライによく似た背格好をしていた。目を細めて注視したが、距離と角度的なもので、顔まではよくわからなかった。
 正面玄関から出てきたふたりは正門に進み、門番と一言二言交わす。そうして門を開かせると、大使館の外に出てきた。
 え? こっちに来る!


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