異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


 ……わわわっ! べつにうしろ暗いことをしているわけではないのだが、なんとなく反射で木陰に身を隠す。
「なぁライ、考え直せよ?」
 今、ライって呼びかけた! やっぱりあれ、ライだ!
 私はドキドキとうるさく騒ぐ胸に手をあてて、ふたり連れの会話に耳を澄ました。
「陛下はもう、そう長くない。寝台の住人となって久しい。なによりあんな状態では、統治者としてはもう終わりだ。今こそ前王の子であるお前が、プローテイン公国の正当な王位継承者として名乗りをあげるときだ」
 ……え?
 男性の言葉が、頭の中を反響していた。なのにその肝心の内容に、なかなか理解が追いつかない。
「やめてくれ。俺はとうの昔に王位継承権を放棄している」
 ……なに? ライって、プローテイン公国の王族だったの!?
 あ、王位継承権を放棄してテンプーラ王国にいる時点で、もう王族とはいえないのか……。


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