異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
「マリーナ、いったいなにがあったんだ!? どうかお父さまに教えておくれ?」
「マリーナ、お願いよ? お母さまに話してちょうだい?」
王宮に帰り着いた私はもう、お父さまやお母さま、何人の制止も受け入れなかった。
「お父さまもお母さまも来ないで! 私にかまわないでっ! 邪魔したら一生、口利いてあげない!」
「マリーナっ!!」
バッターンッ——。
すべてを振りきって、私は厨房を占拠した。
「うっ、うぅっ、……うぐっむぐっ」
私はハムもチーズも、全部全部端から掴んで貪った。もうバゲットの長さを憂慮する必要なんてない。私はバゲットの端から大口でかじりついて、泣きながら噛みしめた。
……切なくて、悲しくて、その勢いのまま噛み千切って、貪るように食べた。
「うえっぷ……」
だけどすっかり縮んでしまった胃が、かつてとは段違いに早いタイミングで限界を訴える。 しかも空虚な心は、これまでの経験に反し、満腹以上に食べたのに満たされることがない。
私は噛りかけの二本目のバゲットを放り出し、膝に顔を埋めた。
「……うっ、うぅぅっ、うぇえええっっ!!」
私はただ、ほとばしる感情のまま泣いた……。