異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


***

「むにゃむにゃ……唐揚げ、食べたい。じゅるり、てか、食べる……。もにゃ〜」
「姫様! 姫様、起きてくださいませ!」
 ……やぁだ、待って。
 もうじき、もうじき私の目の前に、てんこ盛りの唐揚げが出てくるところなの。
 あ、これよ! これこれ!
 そうしてついに、私の前にトンッと置かれたのは、輝くばかりの唐揚げの山、山、山!
 ……あぁ、そうなの。私はこれが、食べたかったの。
 私はてっぺんで輝く魅惑のそれを、箸で掴み上げた。
「ひーめーさーま!! おーきーてくださいっ!!」
「んぎゃっ!?」
 強引にバッサァッと上掛けを引っぺがされて、その衝撃で目が開く。
「や!? やだぁーーっ! 私の、私の唐揚げがぁぁああっっ!!」
 無念、アツアツサクサクの唐揚げが、頬張る直前で奪われた!
「アイーダ、あともうちょっとで食べられたのにっ!! どうして、どうして私の唐揚げを取っちゃうの!?」
 涙の浮かぶ目で、侍女のアイーダに訴える。



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