異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
「どうしてと言われれば、もう起きる時間でございますので」
ヤレヤレと肩をすくめ、アイーダは取りつく島もなく言い放つ。
「アイーダの 意地悪! 鬼っ! えぇ〜ん、唐揚げがぁああっ。うえっ、ぐすっ」
「さぁさ姫様、いつまでも嘘泣きしておりませんで、ちゃっちゃと着替えますよ。こう言っちゃなんですが、姫様のコルセットを締め上げるのは大仕事でございますからね」
……うぅぅ。ドラム缶かというほどの胴囲 をほこる私に、コルセットをつけるのが大仕事なのは否定しない。
だけど、唐揚げを食べ損ねて 泣いてるのは、嘘じゃない! ほんとだもん!
私はコルセットとドレスを用意するアイーダのうしろでひとり、涙とよだれをすすった。
私の名前はマリーナ・テンプーラ。
私はなにを隠そう、名前にテンプーラの国名をいただく、テンプーラ王国の王女だったりする。
ところでこの国名、なんとなーくおいしそうに感じてしまうのは、きっと私が前世の記憶持ちだから。