異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
「記載の体重にも、間違いはないか?」
「はい!」
しばし場に、沈黙が満ちる。ライはおそらく、腑に落ちていないのだろう。
こめかみに、ツツツッと冷汗が伝う。
「……そうか。まぁいい、いったんノートは預かる。早速今日も王宮内庭園を四——」
「ライ! 私、今日は五周歩けそうな気がします! 五周、歩きます!」
ライが四周と言いかけたのを遮り 、五周を宣言する。気づいたときには、うしろめたさがそう言わせていた。
ライは、少しいぶかしげに私を見つめた。
「……様子を見て判断しよう」
興奮気味に言い募る私とは対照的に、ライは静かに告げた。
「では、今日の運動はここまで」
「はい! ライ、ありがとうございました!」
結局、四周半を歩いたところでタイムオーバー。王宮までショートカットして帰り着き、私はダイエット九日目を終えた。
「アイーダ。少しいいか?」