雨が降り止むまででいいから
イントロダクション
互いに言葉足らずな二人。
おにーさん
濃い茶髪に薄い青色の瞳の、実はハーフでした、28歳。
道端で拾った少女を拾って、そのまま抱いたヤベー奴。かと思いきや、うっかり愛してしまった。
身分的には、金持ちが集まる賭博場のオーナー、であり、都市部の違法薬物・銃器売買の元締め。実際にかなりのヤベー奴。
仕事に関しては誰も信用しておらず、秘書もいない。全て自分で管理している。
とはいえ金に執着しているわけでもないし、きっと直ぐ手放せる程度のもの扱い。遊び半分でのし上がってきて、いつのまにか重くなってしまっていた。迷惑な話である。
部下に聞いた彼の性格は、「冷酷、無慈悲」。切り捨てるべきものは切り捨てられる。たとえ、どれだけ悲しくても。
愛した少女にどんどん執着していく。大切にしたくはあるが、感情をぶつけたいとも思う。
が、離れられるのが一番嫌なため、溜め込んでいくスタイル。
実は噛み癖があり、少女に跡付けるのを許可されたら噛み付く自信しかない。
明日の朝、起きるのが少しだけ怖かった。
ハク
長い黒髪に黒曜石の瞳を持つ、平均的な身長の少女、19歳。
もちろん鮮やかに偽名。父が「黒(コク)」と名乗っていたから「白(ハク)」にした。
ギャンブルに正攻法では勝ったことがない。何かしらイカサマするのが滅茶苦茶得意。特にトランプゲームが好き。
粗野なイカサマにイラついて珍しく人を助けたら、おにーさんに拾われ美味しくいただかれた。キスは気持ち良すぎるから嫌い。
自由に生きてきた人生の中で、おにーさんが唯一のイレギュラー。理由もなく会いに行ってしまうほど、居心地がいいのかもしれない。
おにーさんに対する自分の感情はよく分からないまま。ただ、やばくなったら頼ろう、とは思う。おにーさんの身分知らないからこの子。
キスマークは、なんだか所有物の証になるようで嫌い。が、おにーさんは嫌いじゃないので許可する未来があるかも。
首筋へのキスが「執着」を表すということを、少女はまだ知らない。