バレンタインのおはなし


何言ってるの?と、つい言葉が漏れそうになった。


だって、告白の返事は2つしかないわけで。

振ることを選択しないのであれば、残る答えは決まっている、ってことで。



「え、待って先輩何に迷ってるんですが」

「だって俺、パートナーの後輩に手出せねえよ。お前ふつーに可愛いとこあるし、好きだし。一緒にいてラクだし言うことない」


食べていた枝豆を噴き出すところだった。

可愛い?好き?


なに言ってるのこの人。



「...言ってる意味がよくわかりません」

「お前の好きは、憧れみたいなもんだよ、ほら高校の入学式で大して年の変わらない先輩がすげー格好良く見えるやつ、アレ」

「先輩、意外と、」


めんどくさいやつだな!



まとめると。

仕事のパートナーとして私が先輩を好きになるのは、いわば勘違いで、先輩はそこにつけ込んでいるような気がして何も出来ないと。


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