福山先輩、あのね。

……どうしよう。
もうすぐ先輩が、わたしの横を通る。
足音と息づかいの音が、どんどん大きくなってくる。

こんなに近くになるチャンス、きっともう二度と訪れない―――



「あのっ……! 駅伝、がんばってくださいっ」


すぐそばまで先輩が来たとき。
か細い声で、わたしは叫んだ。

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