福山先輩、あのね。

そうこうしているうちに、校長先生の話がようやく終わり、こんどは体育の藤井先生が壇上に上がった。


「げっ。まだ続くの?」


もはや聞く気ゼロの陽子は、こっそりスマホを取り出してゲームを始める。わたしも冷たい床のせいでお尻が冷えて、いいかげんに終わってほしくなってきた。

全校生徒のげんなりムードを藤井先生は気にする様子もなく、マイクの前に立って、おもむろに一枚の紙を広げる。

わたしは最初、その紙をカンペか何かだと思った。


でも、そうじゃなかった。



「えー。皆さんご存知の通り、もうすぐ駅伝大会が行われます。
そこで今日は、ある生徒の作文を皆さんに紹介したいと思います」

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