福山先輩、あのね。
恥ずかしさ。後悔。周囲への憤り。自分への怒り。
そして何よりも、先輩に迷惑がられてしまったというショック。
いろんな感情がぐるぐると胃のあたりをまわり、吐き気がする。
『沙和、大丈夫か?』
心配そうな木下の声がした。
『お前やっぱり好きなんだろ。先輩のこと』
「だから。ちがうってば……」
強く否定する気力すら残っていないわたし。こんなんじゃ、先輩への気持ちが木下にバレバレだ。
……いや、もうすでに全校生徒にバレてるんだ。
先輩本人にだって……。