福山先輩、あのね。

『あーあ。似合わねーっ』

「え?」


突然声を張り上げた木下に、わたしは驚いた。


『あの福山先輩だぞ? お前には全然似合わねーよ、無理無理』

「………」

『俺の方が、お前には似合うって』


何を言い出すの、こいつ。

この状況でこのセリフ。意味がわからないほどわたしだってガキじゃないけど、すぐに返す言葉が見つかるほど、大人じゃないよ……。
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