福山先輩、あのね。
「くだらないこと言うなよ!!」
激しい怒声が響いた。雷が落ちたように空気がビリビリと振動し、男子生徒はびっくりした顔で黙りこむ。
「……迷惑なんだ」
うなるような低い声で、先輩が言った。
「………っ」
わかっていたこと。じゅうぶん自覚していたこと。
だけどやっぱり、本人の口から直接聞くその言葉は、どんなナイフよりも鋭くわたしの胸を切り裂いて―――
わたしは逃げ出すように、その場から走り去った。