福山先輩、あのね。
「で、ほんとに福山先輩と木下って、同じ中学なわけ?」
「おーよ。家も超近いから、ガキんときはよく一緒に遊んだしな」
「それが今となっちゃ、こんなに差がついちゃったんだね。かたや生徒会長の優等生、かたや……」
「うるせーぞ、沙和(さわ)」
木下がギロッと睨みながら、わたしのイスの脚を軽く蹴った。仕返しにわたしも木下のイスの脚を蹴り返す。
コツンコツンとむきになって何度もやり合っていたら、しまいには足が疲れた。
……バカみたい。福山先輩は部活でさわやかな汗を流しているっていうのに、わたしはこんな不毛なやり合いで疲労して。ほんと、わたしの存在って、バカでくだらない。