福山先輩、あのね。


―――結局、先輩は次のランナーにたすきを渡したとたん、地面に倒れこんで病院に運ばれたらしい。
チームは入賞を逃し、記録には何も残らなかった。


がんばったところで、得なことなんかない。
しんどいばっかで、報われるとも限らない。

だけどきっと先輩は、倒れながらも満足そうに笑ってたんじゃないかな。

なぜかそう思うんだ。


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