福山先輩、あのね。
そこにいたのは、上級生らしき女子ふたり。わたしの行く手を遮って、番人のような様子で立ちはだかっている。
この人たちは……たしか3年生のはずだ。見た目が派手で、校内でも目立つタイプ。だけどそんな彼女たちが、わたしに何の用?
「あんたさあ、最近ちょっと調子こいてるよね」
「……は?」
いや、まずは名乗れよ。自己紹介しろよ。話はそこからだろーがよ。
と頭の中だけで思ったけど、どうやら顔にもハッキリと出ていたらしく
「何その顔」
「そういう態度が後輩のくせに生意気なんだよ」
彼女たちは口々に罵りながら、人差し指をわたしに向かって突きつけた。