マリンスノー
第3話
「おはよう、凪。」
「おはよう、うみくん。」
年が明けて、1月になっても私たちは変わらない。
一緒に登下校をしていた。
相変わらずうみくんと雪加瀬さんはお付き合いをしていて。
付き合い始めははやし立てた学校のみんなも。
ふたりが付き合っていることがなじんできたのか。
今では見守る人しかいなくなった。
ふたりの姿を見るのは、今でも正直辛いけど。
冬野くんと話してからは。
少し心の余裕ができたみたいで。
ああやってひとりで泣き崩れることはなくなった。
「凪、今年の旅行だけど。」
「ああ、どこ行くんだっけ?」
「温泉がいいって、うちの親は言ってた。」
「温泉いいね、お母さんたちに伝えておくね。」
「うん、よろしく。」
水原家と堀川家は毎年一緒に旅行へ行っている。
去年は北海道で、一昨年はボーナスがたくさんだったからって海外だった。
その代わり一年に一回しか旅行はないけど。
私とうみくんにとってはその一回が何よりも楽しみだった。
雪加瀬さんは嫌じゃないだろうか。
私とうみくんの関係を知っているからとはいえ。
彼氏が他の女の子と旅行へ行くのは嫌だと思う。
旅行行きたいけど。
……私だけでも、やめておこうかな。
密かにそう、心で思い始めていたとき。
「うみ!」
学校近くの通学路。
電信柱に寄りかかっている雪加瀬さんを見つけた。
「おはよう、うみくん。」
年が明けて、1月になっても私たちは変わらない。
一緒に登下校をしていた。
相変わらずうみくんと雪加瀬さんはお付き合いをしていて。
付き合い始めははやし立てた学校のみんなも。
ふたりが付き合っていることがなじんできたのか。
今では見守る人しかいなくなった。
ふたりの姿を見るのは、今でも正直辛いけど。
冬野くんと話してからは。
少し心の余裕ができたみたいで。
ああやってひとりで泣き崩れることはなくなった。
「凪、今年の旅行だけど。」
「ああ、どこ行くんだっけ?」
「温泉がいいって、うちの親は言ってた。」
「温泉いいね、お母さんたちに伝えておくね。」
「うん、よろしく。」
水原家と堀川家は毎年一緒に旅行へ行っている。
去年は北海道で、一昨年はボーナスがたくさんだったからって海外だった。
その代わり一年に一回しか旅行はないけど。
私とうみくんにとってはその一回が何よりも楽しみだった。
雪加瀬さんは嫌じゃないだろうか。
私とうみくんの関係を知っているからとはいえ。
彼氏が他の女の子と旅行へ行くのは嫌だと思う。
旅行行きたいけど。
……私だけでも、やめておこうかな。
密かにそう、心で思い始めていたとき。
「うみ!」
学校近くの通学路。
電信柱に寄りかかっている雪加瀬さんを見つけた。