私の知らない「ワタシノココロ」
教室に入るなりさっさと自分の席に着く。もちろん話かけてくる人なんていない。私の席は、窓際の一番後ろ。
「…おはよう」
申し訳程度に挨拶をしてきた隣の席の淡河に、軽く会釈する。クラスで基本無口無表情を貫いている淡河だが、隣の席になってからというもの朝の挨拶だけは欠かしたことがない。まあ、それ以外は会話すらしないのだが。
だんだんと人が登校してきて、HRが始まる。
(ああ、今日もつまんないんだろうな…)
授業が始まる時間が近づいてくるにつれ、そう思う。とても憂鬱だ。
(1時間目は…科学か。)
聞き流していい授業ナンバーワン科目だ。絶好の本を読む機会でもある。手早く授業の準備をして、早速読みかけの本を開く。やがて授業が始まったが、本の世界にのめり込んだ私には、先生の声は聞こえてこなかった。
「そろそろ起きたら?」
かけられた声に目を覚ます。隣には淡河が立っている。
「あ、、れ?」
確か、授業中に本を読んでて…?それで…?
「ちなみに今は4時間目が終わったとこ。午前の授業時間ぶっ通しで寝てた感想はどう?」
淡河の言葉にバッと体を起こし時計を見る。時刻は12時45分。さっき4時間目が終わったところだ。
「うっ、そぉ…」
アニメでしか見ないような展開。今日に限って教室移動がないことも、先生が誰も注意しなかったことも、何もかも偶然が重なり過ぎている。
(あれ…?)
そこでふと、視界を遮るものがないことに気づく。
「眼鏡!?どこ!?」
「あ、今更?やっぱ気づいてなかったんだ。」
今だに隣に立っていた淡河は、見せつけるように手をプラーンとさせている。その手には…
「…なんであんたが持ってんのよ。返して、」
「いいけどさ、ほら。」
予想外にあっさりと返され、少し拍子抜けしたのもつかの間、
「やっぱダテメ。オシャレで、とかじゃないだろ?それならもっとちゃんと化粧したりするはずだから。…まだ、中学の頃のこと引きずってんの?」
「ッ!!」
思わず歯を強く噛み締めてしまう。あっさりと言い当てられたことも、まだ覚えている人がいたことも。
「…おはよう」
申し訳程度に挨拶をしてきた隣の席の淡河に、軽く会釈する。クラスで基本無口無表情を貫いている淡河だが、隣の席になってからというもの朝の挨拶だけは欠かしたことがない。まあ、それ以外は会話すらしないのだが。
だんだんと人が登校してきて、HRが始まる。
(ああ、今日もつまんないんだろうな…)
授業が始まる時間が近づいてくるにつれ、そう思う。とても憂鬱だ。
(1時間目は…科学か。)
聞き流していい授業ナンバーワン科目だ。絶好の本を読む機会でもある。手早く授業の準備をして、早速読みかけの本を開く。やがて授業が始まったが、本の世界にのめり込んだ私には、先生の声は聞こえてこなかった。
「そろそろ起きたら?」
かけられた声に目を覚ます。隣には淡河が立っている。
「あ、、れ?」
確か、授業中に本を読んでて…?それで…?
「ちなみに今は4時間目が終わったとこ。午前の授業時間ぶっ通しで寝てた感想はどう?」
淡河の言葉にバッと体を起こし時計を見る。時刻は12時45分。さっき4時間目が終わったところだ。
「うっ、そぉ…」
アニメでしか見ないような展開。今日に限って教室移動がないことも、先生が誰も注意しなかったことも、何もかも偶然が重なり過ぎている。
(あれ…?)
そこでふと、視界を遮るものがないことに気づく。
「眼鏡!?どこ!?」
「あ、今更?やっぱ気づいてなかったんだ。」
今だに隣に立っていた淡河は、見せつけるように手をプラーンとさせている。その手には…
「…なんであんたが持ってんのよ。返して、」
「いいけどさ、ほら。」
予想外にあっさりと返され、少し拍子抜けしたのもつかの間、
「やっぱダテメ。オシャレで、とかじゃないだろ?それならもっとちゃんと化粧したりするはずだから。…まだ、中学の頃のこと引きずってんの?」
「ッ!!」
思わず歯を強く噛み締めてしまう。あっさりと言い当てられたことも、まだ覚えている人がいたことも。