幸せの結末
本当の幸せ
―空を見上げる。一面が暗く、しかし白い光のように雪が降っている。―
冬になり、辺りはクリスマスムードでいっぱいだった。それもそのはず、今日は12月25日でクリスマスの真っ只中なのだ。俺は相変わらずだった。あれから彼女は一体どうしたのか?と考える日々を送っていた。
この日の帰り、バスをいつも通り待っていた。すると同じくらいの年であろうか。女の子が三人でバス停の方に向かっていた。この年の女の子は声が大きい。嫌でも聞こえる世間話。その中に気になる話が聞こえてきた。
「そういえば舞どうかな?」
「入院してもう長いよね。」
その話に割り込むかのように俺は
「その子の事詳しく聞かせて。」
女の子たちから話を聞き、俺は走り出した。外は雪が降っていたが俺は彼女がいる病院まで走った。走りながら思った。どうして?どうして?その言葉しか出てこない。
病院につき、病室を聞くと一直線に向かった。病室の前につき、ドアに手をやった。しかしなかなか開けることができなかった。でも一目会いたかった。恐る恐るドアを開けた。ベッドの上には俺が見たことのない彼女の姿があった。ゆっくり近づき
「舞…」
優しく声をかけた。彼女は俺を見て何も言わずニコッと笑った。初めて会った時の笑顔がそこにはあった。俺は涙が溢れそうだった。だが、彼女の前で見せるわけにはいかず、同じく笑った。
「今日はクリスマスだね。雪も降ってるし…」
彼女はベッドから起き上がり俺にしがみついた。俺はしっかりと抱きしめた。そして初めて唇を交した。優しく温もりを感じた。
それから三日後…彼女はこの世から去った。芝生のど真ん中に寝転がり、空一面の青々さ見るたび俺は思いだす。彼女の笑顔を。そして幸せだったということを。
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