あの子のヒミツ
~放課後・芽亜里ちゃん家にて~
「ただいま~。」
「お邪魔します!」
「お帰りなさいませ!お嬢様!」
(凄い・・・・。柚月の言ってた通り本当にお金持ちの家なんだ・・・・。)
「あら、お帰りなさい。そちらの子は、お友達?」
「うん!そうなの!この子は、お友達の・・・・・・」
「初めまして!私、芽亜里ちゃんと同じクラスの山口佳奈といいます。あの、柚月のこと何か知ってますか?」
「いいえ、知らないわ。ニュースで観たけどまだ行方不明なんでしょ?心配ねー。」
「はい・・・・・・。」
「ねぇねぇ、佳奈ちゃん!私の部屋行こう!」
「あ、うん・・・・・・。」
~芽亜里ちゃんの部屋~
「凄いね。この部屋・・・・。いっぱい人形とかあって。」
「エヘヘッ♡お気に入りなんだー。」
「ねぇ、それよりも私に見せたいものって何?」
「それはねー」
そういうと、芽亜里ちゃんは棚の上にあるたくさんの人形から1体の人形を持ってきた。
(・・・・・・人形?)
「この子だよ!ねぇ、誰かに似てると思わない?」
え?誰かって?
「柚月ちゃん。」
(・・・・・・は?)
「このピンクのTシャツ柚月ちゃん着てたよね。あとズボンも。」
え?嘘・・・・・・。
「本当に柚月なの?」
「そうだよ!この子は、柚月ちゃん。私がお人形に変えたの
!」
「はぁ!?何それ!そんな嘘、誰が信じて・・・・・!」
「本当だよ。全部真実。」
「ダカラ、アナタモ、ニンギョウニナッテ♡」
ニヤリと笑った笑顔。
この子は、悪魔だ・・・・・・。
その時、ゾッと背筋が凍るような感覚がした。
(このままじゃ私も・・・・・・!!)
私は、一目散に部屋を逃げ出した。
「おっ!鬼ごっこ?私もやる~~!」
鬼ごっこと称して笑顔で追ってくる芽亜里ちゃん。
な、なんで追いかけてきてんの!?
それにこの家、何処も彼処も扉があってどれが開いてるのか分からない!
もう、一か八かしかないっ!
私は、まわり角にまわって奥にあった扉に手を伸ばした。
ガチャッ
(開いた・・・・・・!)
私は、その中に入り急いで鍵を閉めた。
「あれ?佳奈ちゃーん!どこ~?」
(もう着いてきたのかよ!)
私は、バレないように口を塞ぐ。
心臓の音がうるさい。
凄い心臓がバクバクしてる。
「ねぇ、佳奈ちゃん。どうして私がこんな能力を持ってるか教えてあげようか。」
(え・・・・・?)
「私ね、前の学校でいじめられてたの。」