墜落的トキシック
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「麻美、侑吏くんどこにいるか知らない?」
放課後。
リュックを背負って早々に教室を出て行こうとする麻美を、ちょいちょい、と引き留める。
「佐和くん? もう帰ったんじゃないの?」
こてん、と首を傾げた麻美。
そんな彼女に、私は首を横に振って教室の片隅を指差した。
「まだ学校にいるはず、なんだけど」
侑吏くんの机の上にぽつん、と残された鞄。
それは彼自身のもので間違いなかった。
おかしいな。
どこに行ったんだろう。
むう、と唇をとがらせる私をしばし、しげしげと眺めていた麻美だったけれど、突然「あー、そういえば」と何かを思い出したように声を上げた。
「さっき、見かけたかも。佐和くん」
「ほんとっ?」
「廊下ですれ違ったんだけど、方向的に行き先は空き教室なんじゃなーい?」
見間違いだったらごめん、と。
そう付け加えた麻美にふるふると首を横に振った。
私には侑吏くんの行き先なんて皆目見当もつかないから、真偽はともかくありがたい情報である。
「何用?」
「委員のことで、確認したいことがあって」
「なるほど。頑張れー」
ひらひらと手を振る麻美に心のこもってなさそうなエールで見送られて、教室を後にした。
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「麻美、侑吏くんどこにいるか知らない?」
放課後。
リュックを背負って早々に教室を出て行こうとする麻美を、ちょいちょい、と引き留める。
「佐和くん? もう帰ったんじゃないの?」
こてん、と首を傾げた麻美。
そんな彼女に、私は首を横に振って教室の片隅を指差した。
「まだ学校にいるはず、なんだけど」
侑吏くんの机の上にぽつん、と残された鞄。
それは彼自身のもので間違いなかった。
おかしいな。
どこに行ったんだろう。
むう、と唇をとがらせる私をしばし、しげしげと眺めていた麻美だったけれど、突然「あー、そういえば」と何かを思い出したように声を上げた。
「さっき、見かけたかも。佐和くん」
「ほんとっ?」
「廊下ですれ違ったんだけど、方向的に行き先は空き教室なんじゃなーい?」
見間違いだったらごめん、と。
そう付け加えた麻美にふるふると首を横に振った。
私には侑吏くんの行き先なんて皆目見当もつかないから、真偽はともかくありがたい情報である。
「何用?」
「委員のことで、確認したいことがあって」
「なるほど。頑張れー」
ひらひらと手を振る麻美に心のこもってなさそうなエールで見送られて、教室を後にした。