墜落的トキシック
隣の人
◆
1限の前のSHR。
きゃっきゃとクラスの皆が盛り上がる中。
「げ……っ」
引いたばかりのくじと、座席表を見比べてげんなりした。
嫌な予感はしていたんだ。
今朝の星座占い。
山羊座は最下位まではいかずとも、11位だったから。
でも、まさかここまで的中するとは。
はあ、とため息を零したところで
背後から聞こえたのは今一番聴きたくない声。
「……わあ、すごい偶然」
うざい。黙れ。
つん、とそっぽを向いたのに彼はめげずに話かけてくる。
めけずに、っていうか
多分私の気持ちなんかちっとも考慮されていない。
「無視は酷くない? 久住さん」
「……」
無視を決めこむ私に嫌味な視線をよこしてくる。
こういうことをしてくる人は、このクラスに────というか、私が出逢ってきた中ではひとりしかいない。
佐和くん、しか。
「そんなんで、これから隣の席なのにどうすんの」
……最悪にも程がある。
もう一度、深くため息をついた。
5月になった。
月に一回、月始まりの日に行われる席替え。
─────どうやら私は佐和くんの隣の席になってしまったらしい。