墜落的トキシック

隣の人






1限の前のSHR。

きゃっきゃとクラスの皆が盛り上がる中。




「げ……っ」




引いたばかりのくじと、座席表を見比べてげんなりした。



嫌な予感はしていたんだ。



今朝の星座占い。
山羊座は最下位まではいかずとも、11位だったから。



でも、まさかここまで的中するとは。




はあ、とため息を零したところで
背後から聞こえたのは今一番聴きたくない声。





「……わあ、すごい偶然」





うざい。黙れ。

つん、とそっぽを向いたのに彼はめげずに話かけてくる。




めけずに、っていうか
多分私の気持ちなんかちっとも考慮されていない。





「無視は酷くない? 久住さん」

「……」





無視を決めこむ私に嫌味な視線をよこしてくる。


こういうことをしてくる人は、このクラスに────というか、私が出逢ってきた中ではひとりしかいない。



佐和くん、しか。






「そんなんで、これから隣の席なのにどうすんの」





……最悪にも程がある。

もう一度、深くため息をついた。




5月になった。

月に一回、月始まりの日に行われる席替え。






─────どうやら私は佐和くんの隣の席になってしまったらしい。




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