スパークリング・ハニー
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中学生の頃は、ずうっと夏休みのままがいいな、終わらないでほしいなって思っていた。


夏休みが長く感じる、二学期が待ち遠しく感じる。


それは高校生になってから────篠宮くんと出逢ってから、はじめて知った感情だ。


休暇のあいだは、会えないもん。
眺めることすら、かなわない。



今年の夏は去年よりも。
サッカー部の試合だったりクラス会だったり、私の誕生日会だったり、顔を見られる機会もあって、楽しい夏休みでもあったけれど。



それでも早く終わらないかなあって思っていたよ。教室に行けば篠宮くんに会える、そんな日々が待ち遠しかった。


そんな夏がようやく明けて、今日から9月、二学期がはじまる。それだけでこんなに嬉しい……なんて、そわそわしては浮かれていたのが悪かったのか。



────ジョキンッ。



「あ"─────っ!」



突如として私の情けない叫び声が洗面所に響いた。
どうやら、新学期、早くもやらかしてしまった模様。


手にしたハサミ、ぱらぱらと落ちていく前髪……“だった”もの。相変らずというかなんというか。


ため息ひとつ滑り落ちて、やっぱり一筋縄ではいかないか、と少し肩を落とした。



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