スパークリング･ハニー

「もう見ないで〜っ」

「あは、耳まで真っ赤！」

「そりゃあ、そうなるよ！」



恥ずかしいことこの上ないもん。
新学期の幕開けがこんな事件からはじまるなんて、思いもしなかった。



「大丈夫、かわいいよ」



にこっと笑うこもりん。
ううん、私、信じないもん。



「ぜったい嘘だよ！」

「ほんとだって、かわいい」

「さっきあれだけ笑ってたの、忘れてないからね……！？」



前髪はしっかり隠しつつ、むうっと唇をとがらせると。
すると、こもりんは、あははって豪快に笑った。



「だって普通に面白いでしょ、久しぶりに会ったら前髪なくなってるんだもん」

「なくなってはないよ！」

「笑ってたのは相変わらずドジだなーっていうのと、見慣れないからであって」



そこまで言って、また、堪えきれずふふっと笑い声を零す。
もう笑わないで、と懇願するものの、こもりんが堪えようとする様子はその後も一切なかった。



「いや、でも、ほんとにかわいいよ。大丈夫」

「何を根拠にっ」



ぜんぜん大丈夫じゃない……！
だって、ぜったい変だもん。