スパークリング・ハニー
そのままみんなと他愛ない話で盛り上がっていると、ふいに教室のどこかから楽しげな笑い声が聞こえてくる。
「朝陽、今度の試合スタメンで出るんだって?」
「ぜってー応援行くわ!」
「調子のってたら外されるけどね」
「はは、小森さんさすが鬼マネ」
こもりんを含めたたくさんのクラスメイトが囲む、そのまんなかにいるのは篠宮くん。
話題も篠宮くんのことでもちきりだ。
そして、みんながみんな笑顔なの。
その様子に、私までつられて、ふふ、と笑みがこぼれる。
すると、たまちゃんが「どしたの?」と不思議そうに首を傾げるから、慌ててごまかした。
────朝陽という、その名にふさわしいひと。
篠宮くんが現れるだけで、その場にいるだけで、あたりがぱっと明るくなるの。
なにか特別なことをしなくても、みんなを笑顔にすることができる。
まるで、朝いちばんに、暗闇の中にあらわれて、世界をあかるく染めていく、太陽のようなひと。
あかるくて、あたたかい、唯一無二の存在なの。