スパークリング・ハニー



「……っ」




好きだ、好きなの、篠宮くんが。



知れば知るほど、憧れから恋に変わっていた。認めるつもりはなかったけれど、もう認めるしかないほど、気づかないうちに大きく膨らんでいた。



すごく大好き、だから。


「篠宮、くん」



羨ましい。



私よりも、ずっと、篠宮くんを知っているみんなが。

私の知らない篠宮くんを傍で見守ってきたみなみちゃんが。




手が届かない距離を、こんなにももどかしく思う日がくるなんて思わなかった。





────あのね、私、ほんとうは。




篠宮くんの力になりたいんだ。
なんだって、したいよ。なんだってできるの。



だって、好きなんだよ。
大好きなんだ。




屈託なくわらう、おひさまみたいな篠宮くんが大好き。

太陽をいっぱいに浴びて、グラウンドを駆け回る篠宮くんが、大好き。




辞めないでほしい。
笑っていてほしい。




思うだけで何も言えない、何も出来ない。
そんな私はすごく無力でちっぽけだ。




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