スパークリング・ハニー
「誰も頼んでいないのに、周りのことばっかり考えてうじうじしちゃうところ!」
「……あ」
「ほんと、たまには自分のことだけ考えろっつーの」
ああ、そうか。
私も、そうだったのかもしれない。
いろんなこと、考えているうちに自分の気持ちを口にするのが怖くなっていた。
篠宮くんが、好き。
難しいことをぜんぶ抜きにすると、ただそれだけなのに。
そうだよ、篠宮くんが好きなんだ。
────好きって、ただそれだけの気持ちなのに、扱うのがすごく難しい。
どきどきして鼓動がはやくなって、うきうきして、わくわくして。
不安にもなるし、ちょっぴり怖い。
だけど、それを全部ひっくるめて、好きってなんて尊い感情なの。
好きにまっすぐに、って篠宮くんに啖呵をきったくせに、私がこうだなんて、なんとも情けない。
「私、篠宮くんが好き」
好きってなによりも代えがたく、特別な気持ちだから。
私も私の好き、を大切にしてもいいかな。
いいかな、じゃない、したいんだ。
「伝えたいな、って思うよ」
大好きだって、篠宮くんに伝えたい。
ようやく決意をかためると、こもりんは「そうこなくっちゃ」と優しく笑ってくれた。