スパークリング・ハニー
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「篠宮くん!」



冬の青空って白っぽい。

空気が冷たくて、息が凍りそう。




冬の大会、篠宮くんが応援しにきてって言ってくれたその当日、試合が始まるより少し前。



早めに来れば、篠宮くんと少しだけでも話せるかもって思ったんだ。



アップをただいま終えたばかりといった様子の篠宮くんに手をふれば、こちらに駆け寄ってきてくれる。




「瑞沢、来てくれてありがと」

「うん、楽しみにしてたよ」




篠宮くんの出る試合をこの目で見るのは久しぶりだ。



ここ最近の篠宮くんのサッカーへの打ち込みぶりといえば、もう、サッカーのことしか考えてないんじゃないかって思うくらい、凄かった。



朝も昼も夕方も、暇さえあればグラウンドに出て練習をしていたもの。



その練習量あってか、めきめきと実力をつけているって、こもりんも感心していたくらいだ。



私も相変わらずその様子を教室の窓から見つめていたのだけれど、以前にまして篠宮くんに惹きつけられるようになった。

それくらいの情熱と、輝きを放っているの。



そんな篠宮くんの姿を今日はしっかり目に焼きつけようと思う。

かたときも目を離したくないな。





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