スパークリング・ハニー
ハートの葉っぱをつけた、ちいさな花。
道端に咲いていて、それは、下を向いているときに見つけると、少し幸せになれるような気がする。
踏みつけられても何度も咲き誇るイエローは眩しくて、そのちいさなパワーは、見つけた誰かを笑顔にすることができるの。
まさに、瑞沢光莉という女の子を体現したような花。
ちらりと彼女の方をうかがうと、まだ私にあてる花を迷っているようでころころと表情を変えながら、大量の花のまわりをくるくると忙しなく動き回っている。
「ガーベラも捨てがたいし……いや、チューリップも……っ」
ひょこひょこと、まるでパントマイムでもするかのようなおかしな動きを繰り返すひかちゃんに、思わずくすっと笑みがこぼれる。
「な、なんで笑うの……!?」
「ふは、」
びっくりしたその顔もやっぱり面白くて肩を揺らすと、ひかちゃんは1度きょとんとしたあと、にっこり満面の笑み。
その笑顔が眩しくて、こんどは違う意味で口角が自然にあがった。