スパークリング･ハニー

けっこう、ずうずうしかったと思う。
自覚はあるよ、だって、狙ってやってたんだもん。



朝陽が家を出る時間にあわせて家を出て偶然をよそおって一緒に通学した。帰りは、朝陽のサッカーの練習が終わるのをこっそり待っていた。



朝陽も嫌そうにはしていなかったから、いつのまにかそれがあたりまえになった。




朝陽は幼い頃から、男女問わず人気者だったよ。なるべくしてなったようなものだ。


ひいき目をなしにしても朝陽はかっこよかったし、運動神経もいいし、優しいし。


朝陽のことが好きだっていう女の子の噂は、何度も耳にしていた。だけど、その誰にも朝陽のとなりはゆずりたくなかった。




『幼なじみだからね』って隣をキープしているうちに、『朝陽くんとみなみちゃんってお似合いだね』って囁かれるようになって。

『付き合ってるんじゃない？』って根も葉もない噂をたてられて。



だけど、それがまんざらでもなくて────そこで、気づいたの。


ああ、私、朝陽が好きなんだ。
とても、好きなんだと。