スパークリング・ハニー
『朝陽、一緒にごはん食べよう』
『……うん』
それからは、関係のない話ばかり。
どうしたらいいかわからない。
目を逸らして、逃げて、ただ、その距離に甘えていたのかもしれない。
そんなある日、突然朝陽は言ったんだ。
『俺、もっかい、サッカー頑張ろうと思う』
あのときの目を忘れない。
忘れられない。だって同じだったから。
私が。
私が朝陽を見つめるときの瞳と同じ色をしていた。
知らなかったよ、あのときは、なにも。
なにがきっかけだったかなんて、知る由もなかった。
けれど。
────かなわない、って気づいてしまった。
朝陽へのこの恋は叶わない。
私は朝陽には適わない。
敵わない。
高校に入学して、すぐに気づいたよ。
朝陽の視線の先にはいつも、ひとりの女の子がいる。
ひかちゃん、彼女には、どうしたって敵わない。