スパークリング・ハニー
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放課後、サッカー部の練習終わり。
「篠宮くん……っ!」
「瑞沢、待った?」
ぱたぱたと駆け寄るひかちゃんに、朝陽が気持ち悪いくらい頬をゆるめている。
怖いくらいデレデレでちょっと笑ってしまう。
ふたりは付き合ってからというもの、一緒に帰るようになった。
幸せそうなふたりの後ろ姿を微笑ましく見送っていると。
「みなみ」
「っ、なんだ、こもりんかー」
うしろからきゅうに声をかけられて。
びっくりして振り向くとこもりんだった。
こもりんは私の視線の先のふたりを同じように見つめて。
ふと、口を開いた。
「みなみは、朝陽に告白したりしないの?」
その質問にまったく躊躇がないところが、こもりんらしい。
ふっと口元をゆるめる。
「しないよ」
それは、ひかちゃんと出逢ったときにもう決めてあった。
告白はしない、幼なじみのままで好きでいる。
好きでなくなる日がきても、そのまま幼なじみでいるよ。
そして、いちばんに応援するんだ、いつだって。今まで通り、これからずっと。
「そう」
そっけない相槌、のち、こもりんはちょっと笑って私の脇腹を小突いた。
「ドーナツ、おごってあげよっか」
「え、いいの? 太っ腹ー」
朝陽にひかちゃん。
大好きだよ、だから、ずっと、幸せでいて。
end.
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放課後、サッカー部の練習終わり。
「篠宮くん……っ!」
「瑞沢、待った?」
ぱたぱたと駆け寄るひかちゃんに、朝陽が気持ち悪いくらい頬をゆるめている。
怖いくらいデレデレでちょっと笑ってしまう。
ふたりは付き合ってからというもの、一緒に帰るようになった。
幸せそうなふたりの後ろ姿を微笑ましく見送っていると。
「みなみ」
「っ、なんだ、こもりんかー」
うしろからきゅうに声をかけられて。
びっくりして振り向くとこもりんだった。
こもりんは私の視線の先のふたりを同じように見つめて。
ふと、口を開いた。
「みなみは、朝陽に告白したりしないの?」
その質問にまったく躊躇がないところが、こもりんらしい。
ふっと口元をゆるめる。
「しないよ」
それは、ひかちゃんと出逢ったときにもう決めてあった。
告白はしない、幼なじみのままで好きでいる。
好きでなくなる日がきても、そのまま幼なじみでいるよ。
そして、いちばんに応援するんだ、いつだって。今まで通り、これからずっと。
「そう」
そっけない相槌、のち、こもりんはちょっと笑って私の脇腹を小突いた。
「ドーナツ、おごってあげよっか」
「え、いいの? 太っ腹ー」
朝陽にひかちゃん。
大好きだよ、だから、ずっと、幸せでいて。
end.