スパークリング・ハニー
「うん。瑞沢と」
篠宮くんはずるいひと。
太陽はスポットライトなんかじゃない。
ひとりだけを照らすんじゃない、みんなを照らして熱くさせてしまう。
それは、篠宮くんの最大のいいところであり……、最大の困ったところでもある。
多くの女の子にとって。
「ずっと、瑞沢と話してみたかった」
「っ、そうやってまた変なこという……っ」
「変なこと?」
きょとんとする篠宮くん。
うん、知ってるよ、篠宮くんにきっとそんなつもりはない。
だけど、たいていの女の子は、そんなことを言われたら期待しちゃういきものなんだって、篠宮くんはもうちょっと自覚したほうがいいと思う。
家に送るよ、とか、話してみたかった、とか……。
きっと、それは私にだけ向けるような言葉じゃなくて、そのたびにいろんな女の子に期待させちゃってきたんだ。
まったく罪な男の子である。
「思ったまんま言っただけだけど」
「……っ」