スパークリング・ハニー
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雲ひとつない青空。
高くのぼった太陽は、じりじりと眩しく焦げつくような光線を放っている。


まさに夏全開な気候でスポーツ観戦日和。



暑くなるから、曇りの方がいいと思うひとも一定数いるだろうけれど、私はやっぱり気持ちいいくらいの青空の下で観戦するほうが好き。



夏休みに入ってすぐ。
今日は、我が校のサッカー部の試合がある。

夏の大会の予選にあたる試合だ。




『来てくれると俺は嬉しい』




応援、来てもいいよ、って篠宮くんがあの日、そう言ってくれた。



ぜったいにこの機会を逃したくなかったから、つい先日に行われた期末テスト、それに備えてめちゃくちゃ必死で勉強したよ。


赤点を取ったら、補習と試合の日がかぶってしまうことになるから。



頑張った甲斐あって、苦手な数学もけっこういい点数だったの。

篠宮くんに解説してもらったところも出題されて、そこは完ぺきだった。篠宮くんさまさまだ。



試合が行われるグラウンドの最寄りの駅で降りて、歩いてとことこ向かう。





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