世界の終り
そして彼女との付き合いが始まった。

彼女は働いていなかった。

小さなアパートに一人で住んでいた。

どうやって暮らしていたのか今でも知らない。

二人は小さな部屋の中で、いつも抱き合っていた。

「あなたが大好き」

彼女は無条件で絶大な愛をくれた。

できすぎだった。

でも本当だった。

だから無条件で絶対的に、彼女を愛した。

ただ一度彼女に尋ねたことがある。

「どうしてお前はあのとき笑ったの?
 何でここにいるの?」

彼女は本当に嬉しそうに笑いながら顔を寄せ、鼻の頭に歯をたてて軽く噛んだ。

「それはあなたが、好きだからよ」
< 4 / 14 >

この作品をシェア

pagetop