世界の終り
「かわいそう」

それは二人に対する言葉だった。

そして彼女は笑った。

心から嬉しそうに笑った。

だからまた彼女が少しおかしくなったのかと思い、つられて笑った。

「でもね…
 でもひとつだけ、とってもいい方法があるの」

「え?」

「二人が永遠に愛し合うことのできる方法。
 愛だけで生きていける方法よ」

そういうと彼女は首をかしげて少しだけ考えるふりを見せ…

そして耳元に口をよせて軽く噛んだあと、甘い息と共に言った。



 魔法の言葉を。

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