守護霊
「お、ようやく抜け出してきたか鬼束。」
自分のデスクに戻って帰り支度を始めていると、コーヒー片手に先輩の大西さんが近寄ってきた。
「先輩、お先に失礼します。」
「もう帰るの?せっかくこの後飲みに連れて行ってやろうと思ったのに。」
「お気持ちはありがたいのですが、早くしないとMステの時間に間に合いません。」
「Mステ?なに・・誰か出るの?」
「・・先輩・・そんな事言ってると、“時代遅れだ”ってバカにされちゃいますよ。」
「え・・なになに?
米津玄師でも出演するの?」
「・・・・・誰ですかそれ?」
「えー!!!時代遅れはどっちだよ!」
これ以上捕まると面倒くさいので、
先輩に改めて挨拶してフロアを出た。