守護霊


[・・ちょっと待ったマスター。
フトシが目覚めたようだ。

・・フトシ、びっくりしてるだろうから教えておくが、貴公の体は今拙者が操っている。

説明が難しいが・・今貴公の中に宿る“心”は貴公と拙者の2つ分あって、

拙者が主導権を握っているという状態だ。]



「もっと簡単に言うと、今の君は霊に乗っ取られているっていうことだよ鬼束君。

そのまま眠っていた方が君にとっては良かったのかもしれないけど目覚めちゃったか・・。

あれからもう1日が経過しているよ。

今日は君の大好きなヒトミが壊れる日だ。」



僕の口が勝手に動き、
僕に向かって告げる

・・・そしてマスターがニッコリ笑って僕を見る。



[意識はあるのに体が自分の思うとおりに動かない・・という気持ち悪い状態がしばらく続くことになるが、直に慣れるだろう。]


「鬼束君どうせ童貞だろうから、

守護霊様に任せて君はゆっくりその様を鑑賞しておくと良い。」


・・・・・・喋れない・・・・・・

“どうなっているの”と声を出そうとしても・・・・。


・・・動けない・・・・・・


確かに目が見えて、耳は聞こえているのに・・体を動かせない・・。


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