守護霊


『・・ここに来る前、
この子に京へ行ってもらった。』


「京・・・もしかして・・?」


『藤吉郎に会ってきたよ。』


「いやそりゃ良かった!

だって玉さんずっとここから動かなかったから、お頭も寂しがってましたぜ。」


『すっかり老けて、本当に猿みたいになってたなあいつ。』


「何て声掛けられたんですかい?」


『光秀が本能寺で謀反を起こしたあの時、
“間に合わなくて悪かった”って。

ずっと俺に謝りたかったらしいから、
言い返しておいてやったよ。

別にお前の助けを借りるほど落ちぶれちゃいねぇよってな。』


「素直じゃないな~玉さんも。

あっしと違って400年振りに会ったんだから、もっと再会を懐かしめば良かったのに。」


『京ならこの先いつでも行けるから別にいいよ。』


「どういうことですかい?」


『この子が俺に約束した。

いつか“全国つあー”とやらで俺をまた京に連れてくるってな。』


「おぉ~。そりゃおニャン子クラブにもぜひ頑張って欲しいですね。」


『・・だからお前の言うそれがよく分からんが、名前が違うんだよなぁ・・。』


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