守護霊


あっしらが加賀井村に還ってきて、
これで二度目の夏祭りを迎える。


視線の先にはたくさんの出店が並び、
子供達がはしゃいで走り回っていた。



「あ・・あ~村長さん!
そんなに入れるなって!
・・銭は大切にしなさいよ~。」


当然こちら側の声が聞こえるはずも無い村長さんは、そのまま多くの銭を賽銭箱に入れてあっしらに向かって手を合わせる。




「とん平、もう少し静かにしろ。
せっかくの祭り囃子が聞こえない。」


「あれ?いつの間に起きてる。」


玉さんが腕を組みながらあっしの隣に来た。


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