守護霊


「玉さん聞きました?

家康のガキ、よ~うやく羽柴のお頭に従うらしいですよ。」


「・・あの小僧も、
利口な男って事だ。」


「山崎の合戦でお頭が信長親分やあっしらの仇を取ってくれて以来、

まるで激流のように世の中は流れていきますね。」


「“三日天下”とはよく言ったものよ。光秀の奴め、だから忠告してやったのに。」


「え?明智さんとなんかあったんですかい?」


「とん平が死んだ後の話だ。
・・・まぁ俺もその後すぐ死んだけど。」


「しっかしまぁ、まさかまた加賀井村に還ってこられるとは思いませんでしたね~。

死んだ後は地獄に落ちて、
鬼達の玩具にされると思ってました。」


「・・・村のみんなに感謝だな。」


< 37 / 139 >

この作品をシェア

pagetop