守護霊
「いやぁ~久し振りに気分が上がりますね玉さん。」
「・・・・・・・。」
「・・玉さん?」
知らない間にまた寝てるよこの人・・。
まったく・・。
もうあっしらには“眠る”という概念が無いはずなのに、
玉さんは一日のほとんどを床に寝っ転がって目を閉じている。
・・まぁ誰よりも平和な日々を願っていた玉さんにとって、
これこそまさに究極の形としてそれを実現したのだから、気持ちは十二分に分かるけど。
玉山神社が在り続ける限り・・
玉さんを奉ってくれる人達がいる限り、
あっしらは永遠に居続ける事が出来る。
羽柴のお頭が作り上げていく世がどんなものになっていくのか。
・・お頭だっていつかは死んじまう。
その後も羽柴の世になっていくのか、
はたまた・・。
ひょっとしたら“侍”そのものが無くなるかもしれない。
ひょっとしたら外国にこの日の本が浸食される可能性だってなきにしもあらず。
この先も、何百年に渡ってこの日の本の移り変わりを目撃できるかと思うと・・・
「楽しみですね玉さん!」
「・・・・・・・。」
一応この神社の中では“神”のくせに、
その人は大口開けていびきをかいていた。
第5話 完