守護霊
「羽柴のお頭・・
今頃は毛利と戦っている頃ですかね?」
「恐らくそうだろうな。」
「勝家の親父殿は、越後 上杉討伐。
滝川の旦那は、関東 北条討伐。
明智さんは信長親分と一緒に中国攻めに加わる。
織田家の天下統一はもう決まったようなもんですね。」
「・・・さっさと信長の世になればいい。
俺はもう戦いたくない。」
「あれ?玉さんの口からそんな言葉が出るとは意外だ。」
「終わりの見えない戦いが続き、俺達は今まで何人の命を奪ってきたと思ってる?
戦国だなんだと囃し立てるが、
本来槍や刀というのは大切なものを守るために振うもんだ。」
「・・・だったら・・
一刻も早く終わらせないと。」
「・・・・・・。」
「羽柴のお頭はきっと待ってますよ。
お頭だけじゃ無くて、信長親分も。
玉さんはお二人に一目置かれるすげぇ人なんだから。
早いとこ加勢に行って、
戦国の世に決着をつけましょうよ。」
「・・・・・あの脱糞野郎の事を忘れてるぞ。」
「アハハハ!家康のガキなんざに憧れられても玉さん迷惑でしょ?」