守護霊
――――――
「なんだか全然想像つかないな。」
「ですね・・。
あっしらが生きてた戦国時代と違って、
今は“世界大戦”ですから。」
「ちょっと気になる事があったんだけど。」
「何ですか?」
「俺に拝む人達がみんな、
“米が高い”ってぼやいてた。」
「米?・・・何で米なんか。」
「いや分かんねぇけど・・。
その世界大戦とやらで、
ひょっとしたら米を味方に配って、逆に自分達が食べる分が無いんじゃねぇの?」
「米騒動なんてものが起きなければ良いんですけどね。」
――――――
「みんな早く逃げろーーー!!!
急いで防空壕の中へ!!!」
「・・・敵国も容赦ねぇな・・。」
「何やってるんですかい玉さん!
早く逃げましょうよ!」
「逃げるって、どこにだよ?」
「・・・いやまぁ・・それは・・。」
「死んだ人間に弾なんか当たるかよ。
・・それにしても、
あの爆撃の1つでもここに落ちたら、
俺もお前も消えるかもな。」
「・・・確かに・・!!
おいアメリカ!
この神社には落とすなー!!」
「・・・霊の声があんな空に聞こえるかって。いい加減、腹くくれとん平。」