守護霊
「あの赤子も可哀想だな。」
「そうですね・・・。」
フゥと息をついた玉さんが戻ってきて再び横になった。
あの様子じゃ、きっとまたすぐ別の化け物に取り憑かれちまうんだろうな。
玉さんと違って自由に動けるあっしはこれまで全国各地を遊びに行ったけど、
悪霊と呼ばれる奴らは至る所にいて、
人々に悪さをしていた。
あんな横綱級のもののけに取り憑かれた所を見たのは、もちろんあの赤ちゃんが初めてだったけど。
「・・・・・・・・・・・・。」
あっしも横になろうとしたら、
てっきり眠りに入ったと思っていた玉さんは、その目を開けたままだった。
「あの子が気になりやすかい?」
「ここに来ればいつでも助けてやるけど、
あの家族だっていつまでもこの地に残るとは限らないしな。」
「まぁあんな化け物倒せるの玉さんぐらいしかいないだろうから、
加賀井村を離れた上でまた取り憑かれたら、今度こそ死ぬでしょうね。」