守護霊
[・・・・・・・・・・・]
やがて完全にその体が向こうからこっちに出てくる。
[・・・・・・]
「・・・・・・・・・。」
恐怖で体がこれ以上動かなかった。
這いずるように少し、また少しとこちらに近づくその姿を・・・
やがてゆっくりと立ち上がるその姿を見ながらただ硬直していた。
「!?あああ・・ああっ・・。」
立ち上がったその長い髪の隙間、
顔が見えたと思ったら・・・恐ろしい形相をしながら僕の事を見つめていた。
[・・・・エッ・・・]
「え・・・?」
[・・・アッ・・・オハヨウゴザイマス・・・]
・・・??
・・??????????
[・・イヤ・・スミマセン・・ゴカンベンクダサイ・・]
何を・・ぶつぶつ言ってる・・?
直立不動で立ったまま、
女の人が急に・・何かを喋っている。
[・・ゴメイワクオカケシマシタ・・ハイ・・カエリマス・・]
「え・・?・・え・・・?」
ユラリユラリと、たどたどしい足取りで現れたはずの女の人は、
くるりと翻して小走りでテレビの中にまた入っていった。