無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
曖昧
季節は5月の下旬。
高校2年になって1ヶ月と少しが過ぎた。
いつもの放課後。
変わったといえば、廊下の窓から見える桜がすべて散ってしまい、今は緑の葉が茂っていることくらい。
廊下の窓から季節の変化をボーッと観察していたわたし鈴本冬花は、ホームルームが終わって、家に帰ろうとしていた。
教室を出て、いつも通り廊下を1人で歩いて、下駄箱へ向かう。
下駄箱でローファーに履き替えて、
帰ろうとしたその時だった。
スカートのポケットに入っていたスマホが短く音を鳴らした。
まるで狙って鳴らしたかのように、
タイミングが絶妙だ。
その音を聞いて、ため息が漏れそうになるのはいつものこと。
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