無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
「あれー、木咲くん声かけないんだ。冷たいね」
返す言葉がなくて、無視してそのまま歩き続けると佑都先輩はさらに口を動かす。
「俺てっきり木咲くんに睨まれて、なんか言われるかと思ったんだけどなー」
「…………」
「2人の関係って案外脆いんだね」
その言葉がどれだけわたしの胸をえぐっているか、先輩はわかっていない。
しょせん、今のわたしと夏向の関係なんて、佑都先輩の言うとおり、脆くて簡単に崩れてしまうものなんだから……。
***
あれからあっという間に時間は過ぎ、放課後になった。
ホームルームが終わったタイミングでメッセージの通知が鳴る。
確認してみれば、送り主は佑都先輩。
内容はわたしを教室まで迎えに行くと書かれていた。
既読をつけたまま返信せず、
無視して下駄箱に足を進める。
そして、ローファーに履き替え、つま先をトントンと地面で叩きながら学校を出ようとした時。
再び、メッセージの通知が鳴った。