無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
しつこい……。
どうせ佑都先輩からのメッセージだと思い、通知欄から内容を確認せず、開いてしまい、既読をつけてしまった。
……失敗した。
きちんと送ってきた相手を確認するべきだった。
【今から俺の家来て】
【この前貸したカーディガン返して】
絶妙なタイミングでわたしを呼びつけるのは確実に夏向の計算のうちだ……。
ぜったい行ってやるもんかって気持ちで既読無視のままスマホを閉じようとすれば。
今度は電話が鳴り……。
とっさに応答ボタンを押してしまい……。
「…………」
『来るよね……冬花?』
通話時間たったの5秒たらず。
プツッと切れた。
誘惑の声を聞いてしまい、心がグラっと揺さぶられる。
矛盾してばかりの気持ちは、簡単に崩れてしまうことを思い知った。