無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
「せっかくいいとこだったのに邪魔されたね」
夏向が見せつけるように、わたしに対して言う。
ベッドに両手をつきながら、誰か知らない女の子を夏向が押し倒しているのを目の前にして、
グラっとめまいがした……。
完全にあてつけ……。
わたしが佑都先輩と付き合うと言ったからきっと、それの仕返しをしているつもりに違いない。
まんまとその仕返しの誘いに乗ってしまい、勝手に傷ついているのは自業自得。
視点は夏向たち一点に集中してしまう。
……こんな光景見せられても動揺なんかしちゃいけないと、言い聞かせようとするのに、頭と身体は反している。
身体から焦りを表すように、汗がジワリと出てくる。
「ってか、いつまでそこで突っ立ってんの?最後まで見ていく気?」
その言葉にカッとなって言い返そうとする自分を鎮める。